
葛根湯(写真と照らし合わせてみてください)
麻黄
桂枝 芍薬
甘草
生姜 大棗
葛根
健康保険で処方してもらえるので風邪で漢方相談に来ることはあまりない
実際は漢方薬の方が治りは早いです☆
「風邪のひきはじめに葛根湯」
日本で最も有名な漢方薬
名前を知っていても・飲んだことがあっても、実際どんな生薬が入っているかは知らないと思います。
というわけで写真を撮ってみました。
Q:なんで風邪には葛根湯と言われるのでしょうか?
実際には感冒(風邪)と一口に言っても様々な病態があります。
そのうち外から受けた寒邪(冷たい空気)によって悪寒・発熱を主症状とするものが葛根湯の適応。
漢方の勉強をしている私たちにとっては感冒の処方として桂枝湯がまずあげられます。
桂枝湯は上の葛根湯の構成生薬のうち上下を抜いた5種
桂枝 芍薬 生姜 大棗 甘草
桂枝湯は寒邪を追い出す薬味が少なくて弱い(桂枝・生姜だけ)
ので適応となる方も限られます。
「元々食が細い、風邪をひいても寒気が弱く高熱が出ない、少し汗が出ている」という方の
胃腸の状態を保ちつつ寒邪を少しずつ追い出す薬です。
*風邪を治すのは薬ではなく自分のカラダです。
食欲が落ちてしまうと治す力が低下してしまいいつまでも治りません。
桂枝湯を飲んでお粥や温かいうどんに生姜を入れて食べていただけると良いと思います。
それに対して葛根湯は
桂枝湯+葛根・麻黄
となっています。
葛根と麻黄は何をしているの?
麻黄は寒邪を追い出す最も強力な薬味でその手段は発汗
風邪をひいてゾクゾクっと寒気が来たとき、体温計の前にまず脇の下に手を入れてみましょう。
この時、まったく湿っていない人は葛根湯が飲める人です。桂枝湯では弱すぎます。
*食欲不振・吐き気・下痢などの胃腸の症状が出ている時は除きます
「寒気が強い・高熱が出る・汗が出ていない」
というのはカラダが寒邪と戦っている証拠です。
邪も強ければ、体力もあるために激しい戦いを繰り広げています。
この時に葛根湯を温めて飲み布団に包まると
汗とともに邪を追い出すので汗をびっしょりかいて悪寒・発熱がスッキリするのです。
葛根湯を飲んだ時もお粥や温かいうどんに生姜を入れて食べてください。
*もう一度言います!風邪を治すのは薬ではなく自分のカラダです。
ところで葛根は何をしているのでしょうか?
実はココが葛根湯が「風邪のひきはじめに」と言われるポイントだと思っています。
麻黄は強力な発汗剤と言いました。
同様に葛根も発汗剤なのですが、麻黄には劣ります。
それなら麻黄があれば良いのでは?
私は以前そう思ったことがあります。
しかし麻黄の性味が温であるのに対して葛根は性味が凉
薬味の量も葛根湯と名前を冠しているだけあって最も多い
この凉性により感冒にかかってから少し時間が経過したときに熱状(痰や鼻水がネバつく・喉が痛む)
が出はじめたときにも使えるのです
つまりそれだけ適応の範囲が広いので
「風邪のひきはじめに葛根湯」
となって現代でも処方・販売されているのだと思います。