先日参加した薬剤師会勉強会のレポートです
順天堂練馬HP 整形外科(骨代謝性疾患・小児整形外科)
坂本優子先生
近年増加している小児のビタミンD欠乏症&くる病のお話
強い骨づくりは子供の頃から始まっている
子供の骨折が増加中!!! (20年で2倍!)
では「強い骨」とは?
鉄筋コンクリートのようなもので
骨密度+骨質=骨強度
で判定される
骨質……コラーゲン繊維(きれいな鉄筋が理想)
骨密度…Ca・P(しっかりしたコンクリートが理想)
*くる病は骨密度の異常
今回のテーマではないが骨質は何が原因で低下するか?
コラーゲン繊維は酸化する→喫煙・飲酒・VB欠乏・葉酸欠乏・糖尿病など
では「強い骨」には何が必要か??
①日光 ②運動 ③栄養
≪日光≫
日光は皮膚でVDを産生(天然型) 25(OH)D
腎臓でVD(活性型)に変換 1α(OH)2D
Q:1日どのくらいの日光浴をすればよいのか?
顔と手の甲で夏10-20分 冬は12時台に20分
顔がイヤなら腕で良いので出しておく
幼児は頭髪が薄いので頭皮でもVDを産生できる
黒色人種は日本の日光では紫外線が弱いためVD欠乏になりやすい
*黄色人種・黒色人種の方は皮膚がんになるリスクがとても低いです!
≪運動≫
子供の場合、ジャンプ運動(縄跳びなど)が最も効果的
老人の場合、背筋力トレーニングが良い
≪栄養≫
Ca…大豆・乳・チーズ・海藻 *小魚はミルで細かく砕くと良い
VD…シイタケ(きのこ類)・魚の切り身・卵
VK…納豆・青菜
VB6・12・葉酸…レバー・鶏肉・魚
*結局は日本食が良いよ!
*Caは思春期に摂らなければならない
*牛乳を飲まない親の家庭は子供も飲まない
ビタミンD欠乏&くる病
骨端線閉鎖前のVD欠乏
↓
骨石灰化障害(くる病)
☆先生もググってみた☆
子育てサイト「赤ちゃん&子育てインフォ」
→完全母乳栄養の子供がくる病になる。回避する方法は?などの情報
Q:VD欠乏のリスクはどこにあるのか?
・完全母乳栄養
・母のVD欠乏
・食事制限(アレルギー、偏食)
・日光不足、紫外線カットクリーム
・慢性下痢
完全母乳栄養児の70%がVD不足
母の血中VDと母乳中VDとには差がある
*母乳栄養が悪いわけではない(ラクトフェリン・母子の精神安定)
またVDだけでなくCa・Pの不足も原因となる
Q:くる病の初期症状は?
O脚(その後、跛行、関節腫脹など)
Q:治療は?
高容量のVD製剤の内服
0.3μg/kg/day
*保険適応外のため坂本先生に相談しましょう
≪結論≫
・乳幼児にも1日20分の日光浴をさせる
*外出制限は差が大きく出る
・O脚や変な歩き方の子がいたら要注意!
・必要量の乳製品を摂取する
*牛乳は親も一緒に飲みましょう
・フォローアップミルクを使用する
*卵アレルギーは意外と差が出ない
・肝油ドロップ(昔ながらの子供の顔のもの)が良い
軽度のVD欠乏なら肝油ドロップで治療可能
*VAが含まれているため食べ過ぎ注意です
先にVAが上限値に達します
男女ともに15歳で最大骨量を迎える
15歳でいかに高めておくかが大切最大骨量を10%UPさせておけば
・骨折リスク50%↓
・骨粗しょう症の発症を13年遅らせる