胃腸や肝臓が強い方はビール何杯でもいけちゃうと言いますが
飲むと次の日には下痢なんだよね・・・
と困っている方もいると思います
今回はそんな「飲んだ次の日に腹痛&下痢」という方のためのお薬
黄芩湯(おうごんとう)について書いてみます
*三物黄芩湯ではありません
黄芩湯:黄芩4・大棗4・芍薬3・甘草3
黄芩湯と名を冠しているくらいですから主薬は黄芩です
肺大腸の湿熱をとる効果があります
アトピーの湿熱性の湿疹で腸に熱の溜まっているような方にも黄芩が良いです
つまり飲んだあとに出る下痢は湿熱系なので臭いが強くベタッとした感じ
汚い話でスイマセン…
芍薬は腹痛を和らげます
もう1つの特徴は大棗・甘草が多めに入っていることです
どちらも甘い生薬です
甘味は脾胃の働きを回復させる効果があり大棗・甘草はその役目を担っています
たった4味で甘くて飲みやすいお薬だと思います
*元々脾胃が強くなくて甘味が平気な方に合うということ
お酒好きで胃腸が丈夫な方は甘味が苦手な場合が多いです
「脾は湿を憎む」
お酒の飲みすぎは胃腸の働きを低下させます
飲みすぎて腹痛・下痢を起こす人は黄芩湯が良いと思います
*吐き気を伴う場合には下記条文の黄芩加半夏生姜湯にするか、他のお薬が良いと思います→黄連湯・半夏瀉心湯
ここまで読まれて気づかれた方もいるかもしれません。
この病症は潰瘍性大腸炎の粘液性下痢と同じです。
黄芩湯は慢性疾患では潰瘍性大腸炎の方に効果が期待できます。
出典
傷寒論・太陽編 172条
「太陽与少陽合病、自下利者、与黄芩湯;若嘔者、黄芩加半夏生姜湯主之。」
太陽と少陽の合病、自下利するものは黄芩湯を与える;若し嘔のものは黄芩加半夏生姜湯之を主る。
<成無己の注>
太陽と陽明の合病にて自下利するものは表に在ると為し、当に葛根湯を与え汗を発すべし。
陽明と少陽の合病にて自下利するものは裏に在ると為し、承気湯を与えて之を下すべし。
此れ太陽と少陽の合病にて自下利するは半表半裏に在ると為し、汗下に宜しき所に非ず、故に黄芩湯を与え以て半表半裏の邪を和解する。
嘔のものは胃気逆するなり、故に半夏、生姜を加え以て逆気を散ず。