2014年9月19日(金) 順天堂大学練馬HP
乳腺外科・化学療法室室長 小坂泰二郎先生
「乳癌治療 最近の動向 ~手術から術後薬物治療まで~」

現在では日本人女性の『12人に1人』が乳がんになると言われている
過去の乳がん手術
「リンパの摘出」が主流
→リンパ浮腫が起こりやすかった(腕の浮腫み)
①すべて摘出
②筋を残してリンパの切除
③筋を残して放射線治療
乳がんはリンパによって全身に広がるため死亡率はどれも変わりなかった
しかしリンパへの転移のある場合はリンパ切除が必須
リンパを残すことは再発の可能性が高まる
乳がんの切除は縮小傾向
センチネルリンパ節までの転移があっても、乳房の切除による再発リスクは変化がない
≪遺伝乳癌≫
遺伝子因子(リスク)についての研究が行われている
BRCA変異
この遺伝子配列の異常は乳癌だけでなく、卵巣がんのリスク↑
さらに男性の乳がんのリスクにも影響があることがわかっている
*もちろん保険適応ではないため約100万円程度の費用がかかるといわれている
≪再建術≫
日本では乳房再建術は保険適応となる
・人工物を入れるか
・自己の筋肉(腹直筋・背中)
*腹直筋の切除は妊娠時にヘルニアを発生しやすいため若い女性には向かない
*腕を動かしたときの痛み
*人工物では劣化の問題もある
≪再発予防≫
タモキシフェン等の内服が再発予防として行われている
5年間の服薬で終了とされていたが現在は
5+5年=10年
と服薬期間を延長することで
再発率3.7%↓ 死亡率2.8%↓ 対側乳がん発症リスク12%↓
というデータがあるため10年間の服薬が推奨されている