小児科・アレルギー科・耳鼻科では
小児ぜんそくの診断を受けるお子さんが増えています
アレルギー疾患が多くなったのは日本人のキレイ好きが要因でしょうか?
それとも抗生剤の飲み過ぎで腸内細菌叢が乱れることが要因でしょうか?
答えはわかりません・・・
私も小児ぜんそくの既往があります
自慢になりませんがアレルギーマーチ(アトピー&小児ぜんそく&アレルギー性鼻炎)でした(^_^;)
そして成人の気管支喘息に移行した部類の人間です
もちろん今は薬を飲まずにコントロール良好
漢方には小児ぜんそく・気管支喘息の治療法があります
1800年前の傷寒論に「喘」、金匱要略の小青竜湯の条文に「咳逆倚息、不得臥」の文がすでに載っています
要は『痰の生成と貯留』+寒冷・アレルゲンなど『発作を誘発する外的要因』です
これを解決するための道筋を立てれば治ります
*成人の気管支喘息はもっと複雑になっていることが多いですよ
①漢方には脾は生痰の源・肺は貯痰の器という言葉があります
脾胃(胃腸)の弱いお子さんは痰が生じやすいです
肺の弱いお子さんは外的な刺激によって発作を起こしやすいです
いつも言っていますが
大切なのは食事+睡眠
特に子供の成長期には必須です
しっかり食べてしっかり寝ることで脾胃(胃腸)と肺を丈夫にして小児ぜんそくを治します
しかし困ったことに痰が溜まっていると夜寝られなくなります
横になるとゼロゼロと喘鳴を起こすのです
まさに「咳逆倚息、不得臥=咳が出て寄りかかって呼吸をし、横になることが出来ない」
喘息に多い症状です
*苦しそうだからと無理に横にさせてはいけません
漢方薬で肺に溜まった痰を除き、脾胃で生じる痰を減らしてあげること
これが治療の第一歩となります
②そしてもう1つ
小児ぜんそくをもつ子の中に甘えん坊な性格の子がいます
上の子の場合下の子が産まれて見てあげられなくなってから発症した
下の子はたいてい甘えん坊です
夜泣き・ひきつけ・疳の虫
この子は痰があろうがなかろうが寝てくれません
その場合には『身柱(しんちゅう)』というツボを刺激してあげます
やわらかい歯ブラシでほんのり赤くなるくらいに軽くこするだけで良いです
下の写真を参照(すぐに役立つ家庭療法/七つ森書館)
*ご家庭ではピンポイントでなく広めで良いです
*お灸は火傷や発作を起こす可能性があるのでご家庭ではやらないでください
漢方薬で痰を除いてあげると同時に身柱を刺激することで
睡眠の質が上がります
寝る子は育ちます
③最期に
お風呂あがりにしてもらっていることがあります
それは水被りです
普段から軽度のストレスを与えることでいざという時に強くなります
最たるものは禊(みそぎ)ですが誰でも出来るものではありません
ご家庭でてきることとして水被りがとても効果的ですので是非実施してください
以上をまとめると
①漢方薬で痰を取り除く
→胃腸と肺の強化
②身柱を刺激して安心して寝かせる
→カラダの成長
③お風呂上りに水被り
→心を強くする
この3本柱で治療すれば小児ぜんそくは治ります
成人の気管支喘息に移行しないよう小さなうちに治して大きなカラダに成長しましょう
*水泳について
「肺が丈夫になるので水泳が良い」
「発作を起こす可能性があるので水泳は良くない」
意見が分かれます・・・
呼吸器の機能を高めることは良いことだと私も思います
その意味で水泳は小児ぜんそくの子にさせてあげるべきものだと思います
親は苦しそうな我が子が可哀想と思うあまりつい過保護になってしまいます
その点でも水泳は「自分で何とかしなければならない」という自立心・親離れをさせます
漢方薬を服用して痰の生成を抑えながらであれば発作のリスクは下がります
可能な範囲で取り入れてみてください
いきなり水泳が難しければお風呂に潜ることでも良いです
とにかく
「大きく吸って→息を止め→大きく吐く」
を繰り返しましょう
漢方薬はまずは苓桂朮甘湯を使ってみてください
これでダメな場合にはその晩から楽になる漢方をおつくりしますのでいらしてください