妊娠中の胎児の様子について
http://www.mcfh.or.jp/jouhou/taiji/index.html
産婦人科医きゅーさんが本当に伝えたい事
≪悪露(おろ)と産後の肥立ち≫
無事出産を終えたお母さんと産科医はもうひと仕事しなければなりません
①胎盤の摘出です
胎盤は、胎児が母体と物質交換を行うための器官です
直径20cm、厚さ2-3cmほどの円盤形で、子宮内膜に結合しています
臍帯は、胎盤と胎児のへそをつなぐヒモで、内部を血管が通っています
胎盤と臍帯を覆っている半透明の膜は羊膜といい、胎児と羊水を入れる袋を形作ります
胎児が生まれれば胎盤はその働きを終えます(最近はプラセンタとして活躍しているようですが)
②そして産褥時には悪露の排出が重要となります
*だいたい1か月程度かけてゆっくり少しずつ出るのが理想
しっかりとキレイにしておけば産後に母体の不調があらわれません
また出産には体力はもちろん多大な生命力を使います
産後しばらくはカラダを動かさないほうが良いというのは
痛みがあるのはもちろんですが体力・生命力の回復を図る必要があるから
これを「産後の肥立ち」といいます
悪露の排出と産後の肥立ちの両方を良くするために昔から用いられている漢方薬があります
芎帰調血飲第一加減(きゅうきちょうけついんだいいちかげん)
ずいぶん長い名前(・。・;
出産後から1ヵ月間飲むことをおすすめします
産後から授乳期に髪が抜け落ちるのは出産および授乳により血を消耗するため
食事からのエネルギーだけでは母体と乳児の栄養を賄いきれません
食事から得られるエネルギー効率を高めて欲しいのです
私はこのお薬を友人の出産祝いに贈っています
【芎帰補血湯】
出典:万病回春 産後病
*別名だが内容は同じ
「治産後一切諸病、気血虚損、脾胃怯弱、或悪露不行、或去血過多、或飲食失節、或怒気相衝、以致発熱悪寒、自汗口乾、心煩喘急、心腹疼痛、胸脇脹満、頭暈眼花、耳鳴、口噤不語、昏憒等症。」
訳:産後一切の諸病…気血の虚損・脾胃の弱り、或は悪露めぐらず、或は出血過多、或は食欲低下、或はイライラによって発熱悪寒・自然と汗が出たり口が乾いたり、胸がワラワラし喘鳴や呼吸促迫が起こり、心や腹が痛む、胸や脇が張って苦しい、めまいや目のチカチカが起こり、耳鳴り、口が思うように動かず会話が出来ない、不眠などの症状を治す。
この方剤には加減法が多数ありその中に
「産後悪露不尽、胸腹飽悶疼痛、或腹中有块、悪寒発熱、有瘀血也。依本方加桃仁、紅花、肉桂、牛膝、枳殻、木香、延胡索、童便、姜汁少許、去熟地黄。」
の文章があります
こちらが現在汎用されている芎帰調血飲第一加減です
*ちなみに「童便=子供のおしっこ」は入っておりませんのでご安心ください:-)
上にも書きましたとおり
出産後の悪露はゆっくりと確実に排出させる・そして体力の回復を図ることが大切です
芎帰調血飲第一加減は悪露の排出(活血)をメインに体力の回復(気血の補給)を助けてくれます
出産はお子さんばかりに目が行きがちですが
お母さんのお身体のケアも大事にしてください