加味逍遙散の加味とは?

加味逍遙散の加味って何のことかご存知ですか?

漢方薬は名前が効果を謳っていたり、構成生薬がそのまま名前になっていたりするものです。

 

 

加味逍遙散=加味+逍遙散

 

一般的に逍遙散が適応となるのは女性です。
効能・効果を見てみると「体質虚弱な婦人で…」とあります。
男性に使わないのか??絶対ではありませんが、私は男性にお出ししたことはありません。

 

≪逍遙散≫
女性はだいたい28-35日周期で月経があります。
月経前~経中は一時的に血が不足する状況に陥ります。

中医学で肝血虚と呼びます。
肝は血を貯蔵しつつ気の流れをコントロールしているため、血の不足は気の乱れ=イライラ・胸の張り痛み・頭張痛(肝胆経:胸やコメカミ)となって現れます。PMSの一部です。

中医学で肝血虚+肝気鬱と呼びます。

逍遙散が血を補い、気の流れを維持してくれるため婦人科を中心に処方されています。また、肝の機能低下は脾へ飛び火しやすく経前の下痢や便秘・甘味を欲する・眠気などの症状への配慮もあるのが逍遙散です。
*脾は消化吸収に働き、気血水の元を生み出す臓腑。
*月経は体調を伺う指標としては重要ですが大切なのはその2週間後の排卵。

 

車が渋滞すると乗っている人がイライラして怒りっぽくなりますよね?渋滞の原因がガス欠(肝血虚)だと思ってください。逍遙散はガスの充填と交通整理をしてくれます。

 

 

ところでなぜ「加味」なのでしょうか?
加味とは牡丹皮・山梔子を加えましたよ。ということです。元々の名前は丹梔逍遙散(出典:内科摘要)。牡丹皮・山梔子は熱を冷ます働きを持ちます。
PMSの陽性症状が進むと顕著なイライラ・顔が熱い・口が苦い・目が充血するなどが現われ、これらを『熱』と判断します。
逍遙散が合う方は熱に移行しやすいために牡丹皮・山梔子を入れたものをはじめから使ってしまおうということで加味逍遙散が一般的となっています。

 

*逍遙散が合う方でも牡丹皮のにおいと山梔子の苦みは苦手な方が多いです。熱状があればもちろん必要です。必要ならカラダが欲します。そうでなければ余計ですね。

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   逍遙散と抑肝散


参考

≪漢方医学十講・細野史郎≫

逍遙散・加味逍遙散の鑑別を簡単に言うと、牡丹皮山梔子を加えると清熱の意が強まる。

しかもそれが上部に効くときと下部に効くときの二つの場合がある。上部に効く場合は、上部の血症すなわち逍遙散証で、頭痛、面熱紅潮、項背の強ばり、衄血などのある場合であり、後者の場合は、下部の湿熱すなわち泌尿器生殖器疾患、ことに婦人の淋疾の虚証、白帯下にも用いる。湿熱でも悪感発熱がつよく、胸脇に迫り、嘔気さえ加わるようなものは本方よりも小柴胡湯加牡丹皮山梔子がよい。