子どものいる家庭はみなそうなのでしょうが
子どもからうつるカゼというのは何故ヒドイのでしょうか??
漢方ではカゼの症状は邪正相争(じゃせいそうそう)の現われだとしています
*邪正相争:外から受ける邪気とカラダがもっている正気の戦い
戦いの激しさはお互いのエネルギーの大きさに比例します
子どもは成人・老人に比べて陽気が充実しているため
邪との激しい戦いを繰り広げることができます
その結果、40℃近い高熱を出したり・寝苦しかったりします
そんな激烈な邪を大人にうつすもんだから症状が激しくなります(*_*)
今回は先日私がひいたカゼについて書いてみます
主訴:感冒
男性34歳 164cm・52kg
既往:気管支喘息・アトピー性皮膚炎
服薬:特になし
2015年10月20日
10か月の子供が鼻水をタラタラと垂らしていた
ミルクを飲むにも呼吸が出来ず苦しそう
ある夜、
抱っこして泣き止ませ布団に置くが1時間おきに泣き出す…
を繰り返した
カラダは熱い・体温37.5℃前後
食欲・二便正常
葛根湯エキスを溶いて離乳食と一緒に飲ませるも嘔吐(/_;)
西医にて抗生剤・鼻水止めの処方を受ける
3日程度で回復
そのときうつされたのだろう
透明な鼻水が大量に出る
ノドの痛みが激しい
頭痛(+) 頭面部の熱感あり
食欲・二便正常
口渇(―)
朝晩涼しくなってきたが日中は日が照って暖かい
悪寒(-)発汗(±)脉浮
小青竜湯加石膏
発汗が少しあった
鼻水は楽になるもその他の症状緩和せず
翌日
悪寒よりも熱感がある
銀翹散
症状全く変らず
その晩、発熱は強くなってきた
発汗(±)脉浮・咽痛・頭痛・熱感
食欲・二便正常
葛根湯
1時間後に多量の発汗
全ての症状がスッキリ解消
≪考察≫
傷寒論にはこんな条文がある
57条
「傷寒発汗解半日許、復煩、脉浮数者、更発汗、宜桂枝湯主之。」
傷寒にて汗を発して解し半日ばかり、また煩して脉浮数のもの、更に汗を発すべし、宜しく桂枝湯之を主る
今回は1発目の小青竜湯による発汗が足りなかったために
邪を十分に追い出すことが出来ずに遠回りをしてしまった
気温があまり低くなっていないことや悪寒・無汗が明確でなかったことで
さらに余計な銀翹散を使ってしまった…
その後、上記の条文を思い出し発汗が不十分だと考え
葛根湯を服して一気に邪を追い出すことができた
情けない症例、勉強になった(._.)