数年前に報告されたサンシシの副作用
特発性腸管膜静脈硬化症
サンシシ含有方剤を長期服用(5年以上)することが発症因子であることがわかっている
*山梨大学薬剤部の報告を拝借*
以下サンシシ含有方剤
・黄連解毒湯15
・加味逍遙散24
・荊芥連翹湯50
・五淋散56
・温清飲57
・清上防風湯58
・防風通聖散62
・竜胆瀉肝湯76
・柴胡清肝湯80
・清肺湯90
・辛夷清肺湯104
・茵陳蒿湯135
・加味帰脾湯137
・梔子柏皮湯314
有名どころの黄連解毒湯や加味逍遙散、防風通聖散などもラインナップされています
腸管の薄いブルー変化程度あれば服薬を中止すれば元に戻るそうです
最悪の場合腸管摘出術を受けることになりますから注意が必要とのこと
1990年代に大きな副作用報告がありましたね
小柴胡湯による間質性肺炎です
それまで肝機能障害を改善すると思われていたため慢性肝炎に多用した例です
いまでも漢方薬の副作用といえば小柴胡湯がまず挙げられます
こういった薬害は1服で起こるものではないので
『連用が必要だったのか?』という点を考えなければなりません
現代医師の9割以上が漢方薬を使ったことがあると答えます
これは「使ったことがある=使いこなせる」ではありません
その医師の何割が使い方を理解して処方しているのでしょうか?
漢方薬は副作用がない・安全である・カラダに優しい
という妄想が今でもまかり通っているのでしょうか・・・
利用者側の認識も改めなければなりません
例えば加味逍遥散を例にあげれば
PMS・更年期障害のホットフラッシュ・のぼせ・イライラ
女性の月経周期に関連する精神的な症状に多用されています
飲んだら調子が良いもしくは3ヵ月は飲まないと効果が出ないと考え
医師から「では今回も1カ月分処方しておきますね」
そう言われ続けて数年経っているなんてことはありませんか?
もしかすると熱状(のぼせ・イライラなど)が落ち着いているのにサンシシを連用しているのかも
その状況でサンシシが必要なのでしょうか?
私たちは経験的にサンシシを用いないことを理解しているためそう考えます
しかしこの副作用は西洋医が漢方薬を漫然と投与したことで発見できたともいえます
医師は当然患者さんに良くなって欲しい
だから治療を目的に処方しています
またネットでお薬を購入されている方は判断を仰いでいますか?
漫然服用は自己判断されている方が最も危険です
私は逍遙散をよく用いています
*加味逍遙散=逍遙散+ボタンピ・サンシシ
逍遙散・加味逍遙散はとても良い処方です
「補血・疏肝」2つの働きに加えて脾胃への配慮もされています
女性は誰しも月経があるため血の不足に陥りやすい
その先に肝の気のコントロールの失調が待っている
仕方のないことなのです
それらを解消してくれるのが逍遙散という漢方薬なのです
加味逍遙散・サンシシが悪いわけではありません
誤った使い方をしているほうが認識を改めなければならないのです