
医療用漢方エキス製剤の中で最も使用量の多い処方が大建中湯です。
そして殆どの場合「開腹術後の腸管通過障害に伴う腹痛、腹部膨満感」に使用されています。
大建中湯は構成生薬がほぼ食べ物(ショウガ・高麗人参・サンショウ・アメ)であること、そして論文データが多いため消化器外科を中心に安心して処方しています。
・排ガス日
・腸管蠕動不全の発生頻度
・術後腸閉塞発症率
・在院日数
・開腹or腹腔鏡の手術法別の発生頻度
といったデータが投与群で有意差を認めています。
しかしこれらのデータは入院時にとっています。
多くのデータは術後1日目~数日後(入院時)のデータであり
半年後、1年後、3年後のデータではありません。
あなたは大建中湯を何年間服用していますか?
本当に今も服用が必要なのでしょうか。。。
そもそも大建中湯は”腸管の冷え”に用いる漢方薬です。
逆を言えば”腸管の冷え”がなければ使うことはありません。
それをどうやって判断するかって?
一番は味です。
大建中湯を健常人が飲むと辛くて飲めませんが”腸管の冷え”をもっている人が飲むと辛さが心地よく甘く感じます。
その辛さを欲しているのです。
論文データでも比較されいるものがありますが、開腹したことによる外気曝露が”腸管の冷え”を生じた可能性もあるでしょう。*開腹下と腹腔鏡下で有意差がないという論文もある
術直後はその”腸管の冷え”がある状況下にあるため服薬により機能回復が見込めます。
ところが退院後長くても3ヵ月程度でその状況は変わっているはずです。
しかし多くの方は「腸閉塞の再発予防」と言われ漫然投与されていると思います。。
入院時に甘く美味しく感じていた大建中湯の味が最近変わっていませんか?
お湯に溶いたときに感じる香りが変わっていませんか?
そもそもお湯に溶いて飲んでいますか?
腸管を温めるお薬ですから必ずお湯に溶いて飲んでくださいね
粉のまま飲んだのでは味が合うか合わないかの確認も出来ません
サンショウやカンキョウの熱は陰を消耗します。
カラダがどんどん乾いてゆきます。
味に変化を感じる方は連用による弊害が出ているかもしれません。
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