インフルエンザ回復期の咳・痰 竹茹温胆湯

3月に入り暖かくなってきましたね

インフルエンザもピークはもう過ぎたでしょうか

今更感がありますが今回はインフルエンザの後に残る痰の絡む咳についてです

私はかつて調剤薬局に勤務していた経験があり日々何十人ものインフルエンザ患者さんの対応をしていました。

医師もそうですが毎日接していれば自然と感染しそうなものですが、不思議と感染しないものです。

しかし唯一インフルエンザにかかったことがあります。

その年は12月31日までインフル対応が続き最終日も時間を押していました。

その日まで気を張って仕事をしていたので感染しなかったのでしょう。

翌日(つまり元日)の夜から激しい悪寒に見舞われました。

そして1/2に休日診療で検査を受けると「あ~B型だねー」と。

タミフルと解熱剤を頂いて帰りました。。

 

さて、インフルエンザに罹ると「抗インフルエンザ薬+解熱鎮痛薬」が処方されます。

そしてピークの感染後48時間を過ぎると増殖が終わり症状が寛解してゆきます。

増殖抑制作用の抗インフルエンザ薬が感染後48時間以内でないと効果がないのはそのためです。

5日もすると熱も下がり食欲も出て出勤・登校OKとなります。

しかしこの時期になると「痰の絡まる咳」を訴える方が多いです。

 

インフルエンザは急性熱性病ですから悪寒発熱が主な症状となります。

悪寒は寒邪の侵襲による症状で発熱はカラダの正気との戦いの現われです。

邪が強いほど高熱を出すためインフルエンザの場合は高熱となります。

 

発生した熱は身体を襲い、口の渇きや皮膚の発赤、便が硬くなる(便秘)、不眠そして痰などを生じます。

インフルエンザ後に残った「痰の絡む咳」はこうやって生じます。

さてこの治療どうしましょうか。

インフルエンザ自体もそうですが、ぶっちゃけ放っておけば治りますが。。

西医にかかると鎮咳袪痰薬を出してくださいますか?

出して頂いたお薬はどのくらい効きましたか?

 

先の通り痰の原因は熱です。

いくら鎮咳袪痰しても熱を取り除かなければ痰の生成は抑えられず結局長引きます。

体温が正常な状態で解熱剤を使いますか?

ここで熱を除くために用いられる漢方薬が竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)です。

急性期の麻黄湯だけでなく竹茹温胆湯ももっと使われても良いと思うんですけどね。

なんとなくさっぱりしなくて寝られないときなんかは尚良いです。

苦くて小児は飲みづらいかな(ーー;)

 

T社の効能効果を拝借

「インフルエンザ、風邪、肺炎などの回復期に熱が長びいたり、また平熱になっても、気分がさっぱりせず、せきや痰が多くて安眠が出来ないもの」


【参考】

万病回春

「傷寒にて日数過ぎること多くも、其の熱退かず、夢寐寧からず、心悸し恍惚し、煩躁し、痰多く、眠らざるものを治す。」

 

蕉窓方意解(1813年 和田東郭)竹茹温胆湯

「此の方、千金温胆、三因温胆は二方とも余り単剤にて力薄きゆへ、龔雲林深く考へて立方せられたることなり。此の症大抵前の温胆に髣髴(彷彿)すれども熱気前の温胆よりつよきことをよく心得べし。然れども熱病日数過多、種々の薬剤を用いて病症遷延したるものゆへ外邪の残熱もあり、又肝部よりの熱気も過半する様子にて第一日数を経たるゆえ何となく元気薄く攻撃剤などは用い難き様子にあるものなり。此の処をよく診し覚えて用ゆべし。故に柴胡二銭香附八分にて肝部をゆるめ鬱熱を去り、黄連一銭半は柴胡香附にちからを合せて鬱熱を精解し、又黄連にて峻に胸中を推し開くゆへ、桔梗陳皮半夏竹茹茯苓枳実の働きいよいよ宜しくなり。胸中の停飲蓄すること能わず、されども右十味ばかりにてはするどきゆへ、甘草人参大棗を加えて心下をほどよくゆるむる趣意なり。寿世保元に麦門冬あり、余今これに従ふ。

又按ずるに此の方意を解すれば竹葉石膏湯の症に混同する様に見ゆれども此は熱の位、彼に比すれば三分の一にて煩渇身熱など大に異同あり。よくよく此の異同の症を熟診して分かつべし。竹葉石膏湯は熱気じっくりあつくしてからつよく身熱などと云う位のものにて煩渇喘気もこれに準じて何分蓄滞の熱余ほど深きことを標的にすべし。此の標的しかと分かるときは決して混同すべき憂いなし。・・・」