以前のブログで断乳後の不調の事例について書きました
今回も似たようなご相談なのですが違う処方で改善した事例をご紹介します
40代 女性
160cm 46kg
3歳と1歳の子供がいる
【主訴】卒乳後の易疲労・だるさ
1歳の子の卒乳が過ぎ2か月が経つ。授乳中と比べてカラダのだるさ・疲れを感じるようになった。
血液検査異常なしのため自覚的には辛いが気にしすぎだとDrから言われてしまった。
睡眠時間は十分取れており食欲はある。
2か月後には仕事復帰予定でそれまでに体調を整えたい。
口乾(+)温飲1リットル 胃はもともと悪い方 胃内停水(-)腹満感(++)
舌淡白・苔白厚
併発症状
手足冷・ふわふわめまい・むくみ(ふくらはぎ)・肩こり
夜間カラダが熱くなり布団を剥ぐことがある 盗汗(±)
荒天時の耳の詰まり感 頭痛
動悸(-) のぼせ(±)
前回の方の場合には血痺虚労の観点から桂枝加竜骨牡蛎湯を選択して回復しました。
今回の方の場合は虚労(体重減少・食欲低下)がなく桂枝甘草湯特有の気の上衝(動悸・のぼせ)もありません。さらに睡眠も良好です。
そのため同じような訴えですが違う処方を選択しました。
この方の場合
- 易疲労とだるさが主訴で胃がもともとあまり丈夫でないにも関わらず水分を多く取っている点が気になります
- 併発症状として「冷え・めまい・むくみ・耳のつまり」がありこれは水滞の所見と考えられます
- 口乾と夜間のカラダの熱さは虚熱(冷ます力が低下した熱症状)
これらにポイントを置きました。
以上の観点から温経湯をベースに当帰芍薬散を加えます。
半夏・麦門・桂枝・芍薬・当帰・川芎・人参・甘草・生姜・朮・茯苓
服薬後すぐに朝スッキリ起きられるようになりだるさも消失しましたとのことでした。
味も美味しく感じる(合っている証拠)
14日分×3回(1か月半)漢方薬をおつくりして治療は終了となりました。