先月のブログでチョコレート嚢胞が消えたという方の例をご紹介しました。
それから同様のご相談が増えています。
それだけ病気を抱えたまま悩まれている方が多いのだと思います。
チョコレート嚢胞自体は悪性のものではなく子宮内膜のような組織が卵巣内部にできてしまったものです。
しかし「ひどい月経痛に悩まされる」「破裂の恐れ」「悪性化(癌化)」の不安が付きまとうため婦人科ではピルの内服を勧められます。
内服により月経痛からの解放、嚢胞の肥大化を抑えられるため”閉経までそっとしておく”というのが西洋の治療となります。
しかし出産を控えた方、ピルの副作用に悩まされる方、閉経までまだ10年以上ある方など服薬を続けて良いのか?悩んだ末に私のところに相談に来られます。
漢方薬で月経痛から解放されさらに嚢胞が消えるのであれば選択する価値はあると私は思います。
ただし以前にも書きましたが物質的変化を治すには時間がかかります。チョコレート嚢胞の場合1年くらいはかかると思って頂きたいです。
40代女性
主訴:月経困難
既往歴:左卵巣チョコレート嚢胞
出産経験:1人
出産前から月経痛などトラブルは抱えていた。20代の頃から月経が重たく悩んでいた。婦人科を受診したところ特別疾患は確認できず、月経困難とされピルの服用を勧められ開始。月経は多少軽減するも初日は痛みで仕事を休むのほど。2年程経って月経が重たく改善が見込めず画像診断の結果、左卵巣にチョコレート嚢胞があるとのこと。そのころボルタレン錠を常備しており初日は乗り切っていた。浮腫みなどもあったがその当時はピルの選択肢が少なく変更ができなかった。
30代の月経は快適とは言えないが飲んでいないよりはマシという状態を続けていたけれどこのまま放置するのも不安になり漢方相談に来た。
月経周期28日
月経期間4日間(若いころに比べると少なくなった)
月経前~初日に特に下腹部全体が痛む、排卵期にも痛みあり、血塊(++)若いころより減った
肌荒れが進んだ気がする。時に月経前に悪化。
ピルをやめ漢方薬のみで治療を希望された
服薬開始から3か月ほど経った頃より月経に変化がみられる
- 痛み止めの回数が減った
- 仕事を休まなくて済むようになった
- 月経血がキレイな赤になってきて *前は黒っぽかった
痛みはまだ残っており引き続き漢方薬を継続。処方は都度調整。5ヵ月目には
- レバー状の塊が混じらなくなった
- 痛みがだいぶ楽になっている(痛み止めは不安もあり併用)
この状態を継続することが嚢胞の治療になるとお伝えし継続9ヵ月後に
- 痛み止めを使用しなくなった
- 肌のトラブルがなくなって以前よりキレイになったと周囲から言われる
1年と2か月くらい経って久しぶりに検診もかねて婦人科を受診したところ左卵巣にあった嚢胞は画像には映らなくなっていた。
初めはピルをやめて不安もあったけれど、今は月経がとても楽で疲労も別人のように取れているとのことで大変喜ばれておりました。