不妊症の相談を受けるとき確認させていただくと3人に1人はどちらかを抱えている
漢方相談にくる方はそのくらいの頻度でもっている印象です
また40歳を過ぎもう月経に振り回されたくないと思っている頃に
月経困難に悩む方も少なくありません
どちらも妊娠を希望する女性にとっては厄介
子宮筋腫は位置によって胎児へ影響をあたえ、場合によっては早産になることも
チョコレート嚢腫は妊娠の確率を下げるだけでなく、癌化へのリスクも抱えています
近年は晩婚化、初産の高齢化により女性は『卵巣・子宮の休暇期間』が減っています
*授乳を含めると妊娠・出産すれば1~2年休むことになる
子宮筋腫はエストロゲンの分泌によって増殖を繰り返しますから
月経があるうちは大きくなる可能性を秘めています
婦人科で月経困難症と診断しピルを処方するのは『休暇期間』を設けるためと言えます
一時的には私も賛成です
しかし期間が長く続くとその状態に慣れて
ご自身のカラダはすっかりホルモン分泌をサボってしまいます
結婚を機にピルの服用をやめた途端、無月経になってしまったというケースによく巡り合います
また服薬初期は体調も良かったけれど
- 浮腫みやすくなった
- 吹出物が出やすくなった
- 明らかに体重が増えた
などピルの副作用に悩まされる方からの相談もあります
さて子宮筋腫とチョコレート嚢腫
「なくすことはできますか?」
というご相談を受けることがあります
私は「できます」とは言いません
特に子宮筋腫は消せないと思っています
上述の通り子宮筋腫はエストロゲン分泌によって増殖を繰り返す可能性があります
そのため月経があるうちは大きくなるかもしれないということです
しかし、弾力が変わることは今までに何例も経験しています
月経前、明らかに下腹に腫れを感じていた方が
- 腫れを感じなくなった
- お餅の様に軟らかくなった
- 小さくなったように感じる
というケースは良くあります
*エコーを撮ってみるとサイズはさほど変わっていない場合が多いです
【チョコレート嚢腫】
こちらは消える可能性があると思っています
*消せますとは言いません
なぜ筋腫は消せないのに嚢腫は消えるのか?
それは身体自体の変形(筋腫)と病理産物の蓄積=血腫(嚢腫)の違いだと思っています
外からは確認できませんが現代では内視鏡により子宮内を診ることができます
筋腫は部位によって名称が異なりますが子宮壁にできる良性腫瘍です
腕や足・顔など外見的にどこかにコブが出来ていた場合、それを漢方薬で小さくしようと思いますか?
きっと外科的に切除を考えると思います
内部にでき見えないこと、月経との関連が大きいことで漢方相談来られることはありますが現実的に消すのは難しいです
申し訳ない…
*筋腫を抱えている方の月経痛や月経困難(体感)は楽にすることは出来ます
逆にチョコレート嚢腫は
卵巣内に古血が蓄積した状態ですから
これは砕いて吸収もしくは排出させてあげれば良いわけです
ですので理論的にも臨床的にも漢方で出来る可能性を持っています
今までにも何例か消えていた方がおられましたし、妊娠もすんなりいったケースをみています
カラダの変形か病理産物かの違いがあり
漢方にはできることできないことがあることをご理解ください